障害者として生きること

僕が自分に障害があると知ったのはつい最近のことで、小学6年生のときでした。診断書を見せてもらって、そこで初めて知りました。そのとき僕が思ったことは、「本当に障害があったんだ」という驚きと生きづらい原因が明確になった喜びです。

 

僕はもともと、人と違うことはわかっていました。「自分は人見知りでへんてこりんな人間なんだ」と思っていました。そして、「障害でもあるのかな」なんて漠然と思っていました。診断書を見たとき「障害があって周りの人と違うんだ」と認識を改めました。

 

障害者であることは不幸ではありません。障害があるがゆえに、健常者が経験しない苦労も多いと思います。でも、健常者も障害者も生きていく上で苦労や悩みは必ずあるはずです。その苦労や悩みの種類が違うだけで、苦労したり悩んだりすることは同じです。しかし、過去の僕はそうは思えず、健常者が羨ましかったです。

 

健常者は、「普通」ができます。ずっと座っていること、大きな声を出さないこと、パニックにならないこと。それらができるのが羨ましくて、僕は健常者に憧れを抱いていました。でも、健常者になれて、みんなと同じことができるようになったとしても、苦労を全くしないわけではなく、また障害者のときとは違った悩みが待ち受けているのではないかと気づきました。

 

今でも時々、「普通がよかった」と口走ってしまうときがありますが、「障害があってよかった」といつか心から言えるようになるといいなと思います。